EA運用日誌 #1|最初の2回は1勝1敗。待っている間に試した60のアイデアが、全部負けた話

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どうもこんにちは。戦術トレードラボのラボ長です。

第11話で、Claude Codeと一緒に自作したEAが、ついに実際の相場で動き出したところまで書きました。
連載はそこでひと区切り。ここからは週に1回の「運用日誌」として、EAが実際にどう動いたかと、その裏で続けている開発の話を、そのまま書いていきます。

兼業トレーダーの私がFX自動売買を自分の手で確かめる記録です。
「AIエージェントが勝手に稼ぐEAを作った」という話は、私はまだ信じていません。だから、こうして数字を残しています。


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ここまでのEAの動き

この記事を書いた時点の、実際の相場でのフォワードテストの成績です(スワップを除く)。

項目成績
取引回数2回
勝ち・負け1勝1敗
勝率50%
PF(総利益÷総損失)0.03
合計マイナス

第11話から変わっていません。

  • 1回目:注文の一部しか入らず、最初の利確の位置で小さな勝ち
  • 2回目:全部入ったけれど、最初の利確に届く前に向きを変えて、損切り。負けた額は決めておいた「1回の負けの上限」ほぼどおり

PF 0.03はなかなかの見た目ですが、2回で分かることは何もありません。
判断する回数は、動かす前に決めています。約60回。それまでは、成績ではなく「EAが決めたとおりに動いているか」を確かめる期間です。

確かめたいこと今の状態
分けて入れる注文が、全部入る○(直したあとの2回目で確認)
MT4を立ち上げ直しても、ポジションを引き継ぐ○
最初の利確が、決めた場所で決まる○
負けたときの額が、決めた上限どおり○
利益が乗ったら、損切りを建値に動かすまだ(そこまで伸びたトレードがない)

いまEAは、5つの通貨ペアで形ができるのを待っています。
バックテスト(過去データ)では、5通貨ペア合わせて月に8回弱しか入らないEAです。待つ時間のほうが、ずっと長い。

ちなみにAIに調べてもらうと、バックテストの6年間で、このEAが何か建玉を持っている時間は84%でした。
「10日以上エントリーなし」の期間は全体の26%あるのに、です。何も持っていない時間は、思っているより短い。
そして黙っている期間の中身は、円がからむ通貨ペアが一方向に走っている時期でした。今がまさにそれです。

待っている間に、2つ目のEAを探していた

「まだまだトレード数足りないねー。毎日1回くらいほしいけど。もう1個くらいやっぱりEA考えたい」

第11話の最後にも書きましたが、EAが待っている間、私はAIと一緒に2つ目のEAを探していました。
この日誌で書きたかったのは、その結果です。

宣言して検証したアイデアは60を超え、全部不合格でした。

ゼロ勝です。笑

やり方だけは、まじめだった

途中から、検証のやり方を決めました。

  1. 先に、ルールと合格ラインを宣言する(「1回あたりこれ以上のプラス」「見ていない通貨ペアと時代でもプラス」)
  2. その条件で1回だけ回す。数字を見てから条件をいじらない
  3. 作るときに使った期間・通貨ペアとは別の、見ていないデータで確かめる

第4話で散々騙された私なりの、再発防止です。
これをやると、面白いことが起きます。アイデアが、ほとんど通らない。

負けたアイデアの共通点

60以上の負けを並べると、いくつかの型が見えました。これから2つ目、3つ目のEAを考える方には、ここが一番役に立つと思います。

1. ローソク足1本や「最初のブレイク」で入るものは、全部コイン投げだった
短期の売買、時間帯のブレイク、大きなヒゲの逆張り、SNSで流れてくる「時間帯×足の形」の表……。
どれも、勝率はコインと同じで、1回あたりの負け幅がスプレッドとぴったり同じ。負けているのは手法ではなく、コストでした。

2. 「トレンドが読めている」と「次にどう動くか分かる」は、別の話だった
私の目で見るトレンド判定を、いくつもの時間足で機械にしました。チャートに背景として色を塗ると、たしかに読めている。
でも、その状態の向きに次の1時間・4時間・1日が動く割合を測ると、49〜50%。
トレンドの読みは「どこまで来たか」を説明する言葉で、「次にどこへ行くか」は教えてくれませんでした。これは正直、いちばんこたえました。

3. 出口をいじっても、符号は変わらなかった
入り口がコイン投げなら、損切りの前に+1R(損切り幅と同じだけの利益)に届く割合は、ほぼ50%。+2Rなら約33%。
確率のとおりに並ぶだけで、利確を近くしても遠くしても、時間で切っても、合計はスプレッドの分だけマイナス。
出口で符号が変わるように見えたら、それは優位性ではありません。

4. 総当たりは、見ていないデータで消える
波の形、移動平均の並び、時間帯……8万件を超える場面を、いくつもの特徴で切りました。
作った期間では「勝率が2ポイント高い」ような組み合わせが出てきます。でも、答えをシャッフルしたデータでも同じくらいの組み合わせが出る。運の範囲でした。見ていない期間に持っていくと、きれいに消えました。

5. 玉を分けて入れても、変わるのは「サイズ」だけ
損切りに近づいたら買い増す案も試しました。結果は、1回あたりの見た目は良くなるのに、全体の安定度は下がる。
同じ賭けを大きくしただけで、賭けの中身は変わっていませんでした。

唯一残ったもの

念のため書いておくと、ひとつだけ、見ていない時代でも残った「時間帯の癖」はありました。
ただし月に数回で、「毎日1回」の願いには届きません。採用するかは、いま保留しています。

「毎日勝てるEA」を探してネット上も調べてもらいましたが、何年も生き残っている毎日型のEAは利益の厚みが薄く、そもそも市場にもほとんどないという結果でした。
願望と、データ。今回は、データの側に立つことにしています。

私の目は、まだ負けていない(と思いたい)

もうひとつ、面白い実験をしています。

AIが、チャートの右端で止めた場面を何十枚も用意して、私が「今ここで入る?買い・売り・なし、損切りはどこ」を答える。
第9話の目隠しテストの続きです。

20枚答えた時点で、私が入った17回のうち、損切りの前に+1Rに届いたのは12回(71%)。
おっ、と思いますよね。私も思いました。

ところがAIは冷静で、「この20枚は、機械のサインだけで入っても勝っていた運の良い束。私の選び方そのものの上乗せは、統計的にはまだ運の範囲」と。
50回くらい答えるまでは、信じないでください、だそうです。笑

私の答えの共通点をAIが読み取って機械にしてみても、やはり優位性は出ませんでした。
目は当たっている気がする。でも、機械にすると消える。第3話からずっと続いている、この連載のテーマです。

今週の学び

これからEAを実際の相場で動かす方、2つ目のEAを考えている方へ。

  1. 先に合格ラインを宣言してから、1回だけ回す。数字を見てからいじると、過剰最適化の入り口です
  2. 見ていない通貨ペア・見ていない時代で確かめる。作った期間で良いのは当たり前
  3. 1回あたりの負けがスプレッドと同じなら、それはコイン投げ。手法ではなくコストで負けている
  4. 出口で符号が変わるのは、優位性ではない
  5. 自分の目の勝率は、回数がたまるまで信じない。20回の71%は、まだ何も言っていません

「たまたま」かどうかを数字で見る考え方は、t値でざっくり確かめる方法にまとめました。

来週に向けて

EAは、止めずに動かし続けています。
形ができたら入る。それまでは待つ。約60回たまったら、平均がゼロから離れているかを見る。資金のへこみがバックテストで一度も起きていない深さまで来たら、いったん止めて見直す。

決めたことを、決めたとおりにやる。
裁量ではできなかったこれを、EAにやってもらっている最中です。

来週も、数字をそのまま書きます。


関連: フォワードテスト・運用 / バックテストと検証 / Claude CodeでEAを作る
あわせて読みたい: 第11話 ついに、EAが動き出した / ドローダウンから必要資金を考える / EAの成績の見方

※本ブログの成績はすべて私個人の記録であり、将来の利益を保証するものではありません。バックテストの結果は過去のデータによるものです。投資は自己責任でお願いします。

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